「香典返しにどんな品物を選べばよいのか…」「失礼にならないか心配」──初めて葬儀を経験する方にとって大きな悩みのひとつです。
最近はカタログギフトが便利で喜ばれる香典返しとして広く利用されています。本記事では、カタログギフトの評判や選ばれる理由を具体的に紹介し、従来の品物との違いや上手な選び方もまとめました。
香典返しはカタログギフトが“いまどき”の最適解？実際の評判
かつて香典返しといえば「お茶」「海苔」「砂糖」など定番の品物が多く選ばれてきました。しかし近年では、カタログギフトが“いまどき”の香典返しとして主流になりつつあります。
その理由は、受け取る人のライフスタイルが多様化し、従来の一律的な品物では満足度が得にくくなっているからです。ここでは、実際の評判とともに、なぜカタログギフトが選ばれているのかを整理して解説します。
受け取った人が喜ぶ理由とカタログギフトの特徴
香典返しを受け取る立場で考えると、「本当に使えるものかどうか」が重要なポイントです。例えば、従来品として定番だったお茶や食品は、好き嫌いや保存方法の違いから、必ずしも喜ばれるとは限りません。
その点、カタログギフトは受け取った側が自分で好きな品物を選べるため、不要なものをもらうリスクが大幅に減ります。
実際の評判を見ても、「自分の欲しいものを選べるのが助かる」「グルメから日用品まで幅広く揃っていて選ぶのも楽しい」といった声が多く寄せられています。特に最近では、産地直送の食品や有名ブランドの商品を掲載するカタログもあり、受け取る人にとって「贅沢な体験を選ぶ機会」として評価されています。
さらに、配送面でもメリットがあります。従来の香典返しは参列者に直接渡すか、葬儀後に自宅へ配送するケースが多く、受け取った人が不在の場合に手間がかかることもありました。カタログギフトなら注文時に配送先を指定できるため、受け取りの負担が軽減される点も高評価を得ています。
従来の品物と比べて選ばれる背景
香典返しにカタログギフトが広まった背景には、日本社会全体のライフスタイルの変化があります。まず、家族構成の変化が挙げられます。単身世帯や共働き世帯が増えたことで、食品や日用品の需要が人によって大きく異なり、「みんなが使う定番の品物」が通用しにくくなりました。
また、香典返しの相場金額（いただいた香典の半分を目安に返す「半返し」が一般的）に合わせて品物を選ぶ場合、従来の物品では選択肢が限られていました。その点カタログギフトなら、同じ価格帯でも数十種類以上の品物から選べるため、金額に応じて柔軟に対応できます。
さらに、贈り主の側にもメリットがあります。大量の香典返しを準備する際、品物ごとに「のし紙を付ける」「配送手配をする」といった作業は大きな負担でした。
カタログギフトは一括注文が容易で、弔事用の表書き（「志」「忌明志」など）や挨拶状の同封サービスも標準化されています。これにより、手配ミスや在庫切れといったトラブルが少ない点も、葬儀を初めて行うご遺族にとって安心材料となっています。
ご予算別：指名しやすいカタログギフト
弔事対応（のし・包装・挨拶状・住所管理）のしやすさと、価格帯の幅・品揃えのバランスに優れた“定番どころ”を、すぐ指名できる形で整理しました。
3,000円台（贈り分けの“土台”に）
- ハーモニック「和（なごみ） 小紋」 税込3,190円 — 16コース構成で贈り分けがしやすく、和テイストで年配層にも配慮できます。送料・ラッピング無料のセット運用がしやすいのも利点。
- シャディ「AS YOU LIKE」2,900円コース（和／洋表紙） — 2,900〜100,900円まで全15コース。のし・包装・（店舗により）メッセージカード等が無料で、弔事用途の導線が明快。
- おこころざし.com「万葉 ころもて」 税込3,080円 — 和の落ち着いた総合版。挨拶状無料作成・最短当日発送など実務面の時短に強いショップ運用が魅力。
5,000円台（“半返し”の主力帯）
- ハーモニック「ア・ラ・グルメ レッドアイ」 税込5,500円 — “食べて消える”に特化。迷ったらグルメ一本で外しにくい定番。
- リンベル「いづつ（井筒）＆ジュピター」 税込6,600円 — 弔事専用編集。雑貨・グルメ・体験まで幅広く、1万円の半返しレンジの代表格。
- 万葉 あまくも 税込5,280円 — 和テイストで幅広い掲載。挨拶状無料や期日指定などショップ機能の使い勝手が良好。
1万円前後（目上・ご親族向けの“厚め返礼”）
- リンベル「バリューチョイス 新玉（あらたま）」 税込9,900円 — 商品券系を含め柔軟に選べるシリーズ。こだわり派・目上にも合わせやすい。
- シャディ「AS YOU LIKE」10,900円コース（和／洋表紙） — 冊子のボリュームと掲載点数が充実。のし・包装無料で贈り分け設計が簡単。
- ハーモニック「ア・ラ・グルメ キールロワイヤル」 税込12,100円 — 有名店グルメ中心。形に残らない品を望む先様に最適。
失敗しない選び方のワンポイント
- 弔事表記と挨拶状： 地域により「志」「満中陰志」「忌明志」などを使い分け。迷ったら「志」が無難。挨拶状は無料作成可のショップを選ぶと実務が楽。
- 贈り分け設計： 同一シリーズで価格違いコースを混在させると管理しやすい（名寄せ・発送ミス防止）。
- 納期・発送： 忌明け直後に一括発送する場合、最短出荷・期日指定・住所一括入稿（Excel）に対応するショップを優先。
実際の評判からわかる利用者の声
カタログギフトは便利で合理的とされる一方、実際に利用した人の感想や評判を知ることで、そのメリットや注意点がより具体的に見えてきます。ここでは、利用者の声をもとに、カタログギフトの評価を整理しました。
「いまどきで便利」と感じる利用者の感想
最近の利用者からは「選択肢が多く、欲しいものを選べるのが嬉しい」「従来の海苔やお茶よりも実用的」といった意見が目立ちます。特に若い世代や共働き家庭からは、「家族で相談しながら商品を選ぶ楽しみがある」「生活に合ったものを注文できるので無駄がない」と評価されています。
また、弔事専用のカタログは表紙やデザインも落ち着いており、香典返しとして違和感がない点も安心材料です。結果的に「いまどきの香典返しはやっぱりカタログギフト」と好意的に受け取られているケースが多く見られます。
年配層からの評価と注意点
一方で、年配層の中には「やはり品物を直接いただいた方がありがたみを感じる」「カタログから選ぶのが面倒」といった声もあります。特にインターネットや申込ハガキの利用に慣れていない場合、注文方法が負担になるケースもあります。
このような背景から、利用者によっては「高齢の方には食品や日用品などの定番品を直接贈り、それ以外の方にはカタログギフトを用意する」といった贈り分けの工夫がされています。つまり、万人にとって万能ではないものの、対象に合わせた活用で満足度を高められるということです。
価格帯や品揃えに対する満足度・不満点
評判の中でよく挙がるのが、価格帯と品揃えに関する感想です。「3,000円台のカタログでも日用品が充実していて便利」「1万円台では高級グルメやブランド品も選べて喜ばれた」といった好意的な意見が多く見られます。
一方で、「掲載点数が多すぎて迷う」「人気商品が早めに品切れになっていた」という不満もあります。特にギフト業界の繁忙期（お盆や年末）は在庫に影響が出ることがあるため、贈る側がショップ選びの段階で「弔事専門のカタログ」「在庫補充が安定している業者」を選ぶことが重要です。
総じて言えるのは、カタログギフトは評判通り便利で柔軟性が高いものの、年齢層やタイミングに配慮して選ぶことで満足度が大きく変わるという点です。
香典返しにカタログギフトが向いているケース・向かないケース
カタログギフトは“いまどき”の香典返しとして人気ですが、すべてのケースに万能というわけではありません。参列者の年齢層や地域性、葬儀の規模によって向き・不向きがあり、状況に応じた選択が必要です。ここでは具体的なケースごとに整理して解説します。
家族葬や少人数葬に適している場合
家族葬や少人数葬では参列者が限られるため、一人ひとりに合わせた配慮がしやすいのが特徴です。この場合、カタログギフトを選べば「それぞれの生活スタイルに合った品を受け取っていただける」ため、高い満足度につながります。
例えば、友人や同僚など比較的若い世代が多い場合は、グルメや日用品のカタログが喜ばれやすく、夫婦世帯や子育て世帯には「キッチン用品」や「体験ギフト」も好評です。少人数だからこそ、相手に合わせた贈り分けが可能で、遺族側の手配も比較的シンプルに済みます。
地域性や宗教性に配慮が必要な場合
一方で、地域や宗派によっては「香典返しは品物で贈るもの」という習慣が強く残っている場合があります。特に地方や年配層が多い地域では「お茶やタオルなど定番品をいただいた方が落ち着く」と感じる方も少なくありません。
また、宗教儀礼を重視する家庭では「供養の品として形が残るもの」が好まれるケースもあり、カタログギフトでは気持ちが伝わりにくいと受け取られる可能性があります。慣習や宗派の考え方を確認したうえで、必要に応じて定番品と組み合わせるのが安心です。
高額な香典返しで「品物」が望まれる場合
香典額が大きい場合や、特にお世話になった方への返礼には、カタログギフトだけでは味気ないと感じられることもあります。この場合は、カタログギフトに加えて高級食品や記念になる品物を添えることで、感謝の気持ちがより伝わります。
例えば「1万円以上の香典をいただいた方へは、カタログギフト（5,000〜6,000円）と高級茶の詰め合わせをセットにする」といった工夫が考えられます。こうすることで、形式だけでなく心のこもった返礼として受け取っていただける可能性が高まります。
つまり、高額な香典返しには“品物＋カタログ”の併用が一つの解決策となるのです。
まとめると、カタログギフトは「若い世代や都市部」「少人数の葬儀」には非常に適していますが、「年配層の多い地域」「宗教儀礼を重視する場面」「高額香典への返礼」では注意が必要です。相手や状況に合わせて柔軟に使い分けることが、失敗しない香典返しにつながります。
香典返し用カタログギフトを選ぶときのチェックポイント
カタログギフトと一口にいっても、種類や価格帯、内容は多種多様です。どのカタログを選ぶかで、受け取った方の満足度や遺族側の手配のしやすさが大きく変わります。ここでは、香典返し用のカタログギフトを選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントを具体的にご紹介します。
価格帯と掲載点数のバランス
香典返しは「いただいた香典の半額程度を返す」という半返しの習慣に基づいて品物を選ぶのが基本です。そのため、まずは相場に応じた価格帯のカタログを選ぶことが大切です。3,000円台・5,000円台・1万円前後など幅広いコースがあるため、参列者の香典額に合わせて贈り分けが可能です。
ただし、価格だけでなく「掲載点数」にも注意が必要です。例えば同じ5,000円のカタログでも、300点掲載のものと600点掲載のものでは、受け取った側の選択肢の広さが大きく異なります。価格帯と掲載点数のバランスを見比べながら選ぶことで、相手に満足してもらいやすくなります。
グルメ・日用品・ブランド品の充実度
カタログの魅力は「多様なジャンルの商品を網羅していること」です。しかし実際には、シリーズによって掲載内容の傾向に違いがあります。例えば「グルメに特化したシリーズ」「日用品や雑貨が充実しているシリーズ」「高級ブランドを中心に揃えたシリーズ」などです。
若い世代や共働き家庭には食品やキッチン用品が人気で、年配層には実用的な日用品や寝具などが好まれる傾向があります。また、目上の方や高額な香典返しにはブランド品や高級グルメが選ばれることもあります。
受け取る人の年代や生活スタイルを想定して、どのジャンルに強いカタログかを確認することが失敗しない選び方のコツです。
のし紙・挨拶状など弔事マナー対応の有無
香典返しは、単に品物を贈るだけでなく、弔事ならではのマナーに沿った形で手配する必要があります。具体的には「弔事用ののし紙（表書きは『志』『満中陰志』など）」「奉書紙や掛け紙」「お礼の挨拶状」などです。
大手のカタログギフト業者では、これらを無料でセットしてくれるサービスが一般的になっていますが、業者によってはオプション扱いとなることもあります。また、配送時に弔事用の梱包が可能かどうかも確認しておくと安心です。
さらに、挨拶状の文面を複数パターンから選べるかも重要なポイントです。家族葬や少人数葬では簡潔な文面を、一般葬では丁寧な文面を選ぶなど、状況に合わせた対応ができる業者を選ぶと失敗がありません。
まとめ｜“いまどき”の香典返しはカタログギフトが主流に
香典返しは感謝の気持ちを伝える大切な場面ですが、従来の品物では相手の好みに合わなかったり、在庫や配送で手間がかかることもありました。そうした中で近年支持を集めているのがカタログギフトです。
カタログギフトなら、受け取った方が自分のライフスタイルに合った品を自由に選べるため満足度が高く、贈る側にとっても贈り分けや手配が簡単です。また、在庫不足や賞味期限切れといったリスクを避けやすい点も安心材料となります。
ただし、年配層や地域の慣習によっては「品物の方が良い」と受け取られる場合もあるため、参列者の世代・宗派・香典額に応じた柔軟な使い分けが大切です。場合によっては「カタログギフト＋定番品」を組み合わせることで、気持ちをより丁寧に伝えることができます。
最終的に大切なのは「相手に喜んでいただけること」。香典返しとして“いまどき”の主流になりつつあるカタログギフトを上手に活用しながら、相手に配慮の行き届いた返礼を心がけていきましょう。