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葬式のお花代はいくら?相場・封筒の選び方と正しい書き方を解説

葬式のお花代はいくら?相場・封筒の選び方と正しい書き方を解説
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葬式で用意する「お花代」は、いくら包めばよいのか、どんな封筒を使うのかなど、初めての方にとって分かりにくい点が多いものです。

相場は一般的に3,000円前後とされますが、地域や関係性によって差があります。また、封筒の選び方や表書きの書き方、お返しが不要とされる理由なども知っておくと安心です。

本記事では、葬式のお花代に関する基本マナーをわかりやすく解説します。

葬式でのお花代はいくら包む?まず知っておきたい相場

葬式では香典と並んで「お花代」を用意することがあります。特に供花(きょうか)と呼ばれる花を贈る場合や、遺族への弔意を示すために包むケースが多いですが、金額や渡し方に迷う方は少なくありません。

ここでは、初めて葬式に参列する方でも安心できるように、お花代の相場や注意点をわかりやすく解説します。

一般的なお花代の目安は3,000円前後

お花代は、香典のように高額ではなく、3,000円程度が最も一般的な目安です。これは、多くの葬儀社が供花代として提示している金額に準じており、個人で参列する場合に無理なく出せる額として広く浸透しています。友人や同僚など近しい関係の葬儀であれば、相場通り3,000円で十分弔意を伝えることができます。

一方で、親族や特別に親しい関係の場合は5,000円程度にすることもあります。ただし、あまり高額にすると香典とのバランスが崩れたり、遺族に負担をかけてしまう場合もあるため、基本は「3,000円前後」を基準と考えるのが安心です。

地域や関係性による相場の違い

お花代の金額は地域や故人との関係性によって変わることがあります。たとえば都市部では供花を個人名義で出すことが少なく、会社や団体でまとめて手配する傾向が強いため、個人で包む場合は3,000円程度に抑えられます。

一方で地方では、親族や近所づきあいのしきたりから、お花代を5,000円〜10,000円程度にするケースもあります。特に親族間で「○○家からはこのくらい」といった不文律がある場合もあるため、事前に家族や地域の慣習を確認することが大切です。

実際の例として、東京で同僚の葬儀に参列した人は3,000円を包んだのに対し、地方の親族葬では「親族一同」として1万円前後をまとめて出した、という声もあります。このように、「個人で包むか」「団体で出すか」「親族か一般参列か」で大きく変わる点を押さえておきましょう。

お返し不要とされるケースが多い理由

香典の場合は「香典返し」として半返し(半額程度のお返し)をするのが一般的ですが、お花代はお返し不要とされることが多いのが特徴です。これは、お花代があくまで供花や式のしつらえに充てられる実費的な意味合いが強いからです。

遺族側も「返礼品を準備するとかえって負担が大きい」と考えるため、参列者側も「お返しは不要」と心得ておくのがマナーとされています。実際に葬儀社に供花を注文し、請求書をまとめて清算するスタイルが一般的で、その場合は遺族に現金が渡らないため返礼が発生しません。

ただし、一部地域や親族間では形式的にお返しをする場合もあるため、「基本は不要だが、慣習によってはある」という点を理解しておくと安心です。初めて葬式に参列する際には、過度に気にする必要はありません。

葬式のお花代に使う封筒の選び方

葬式でお花代を包む際には、香典と同じように「封筒選び」に注意することが大切です。香典袋のように華美な装飾や水引が付いたものは不要で、むしろシンプルな封筒の方が適切とされます。

ここでは、初めてお花代を準備する方でも迷わないように、基本の封筒の選び方を解説します。

白封筒を使うのが基本マナー

お花代は、一般的に白い無地の封筒に入れて渡すのが基本的なマナーです。市販の香典袋のように黒白や双銀の水引がついたものは「香典用」として扱われるため、用途が異なります。特に会社関係や友人知人の葬式で渡す場合には、白無地の封筒が最も無難で安心です。

表書きには「御花料」や「御供」と書くのが一般的で、薄墨の筆ペンや毛筆を使うとより丁寧な印象になります。どうしても筆ペンが用意できない場合は、黒のボールペンでも問題ありませんが、なるべく正式な形を意識すると遺族への礼儀を果たせます。

また、コンビニや文房具店で販売されている白封筒を利用する場合は、封筒のサイズ感にも注意が必要です。お札を折らずに入れられる長形4号サイズが最も一般的で、スマートに見えるためおすすめです。

市販の「御花代」や「御供」封筒を利用してもよい

最近では、文房具店や葬儀社で「御花代」や「御供」とすでに印字された封筒も市販されています。こうした専用封筒を利用すれば、筆文字に自信がない方や、急な葬儀で時間がない方でも安心して準備できます。

ただし、地域や葬儀の形式によっては「御花料」と書かれた封筒が望ましい場合や、宗教宗派に応じて「御供」とする方が適切なケースもあります。

たとえば仏式の葬儀では「御花料」、キリスト教では「御花料」または「御花代」、神道では「御供」といった表記が一般的です。表書きの違いは難しく感じるかもしれませんが、「御花料」「御供」であれば多くの宗派で無難に通用するので安心してください。

加えて、会社や団体でまとめてお花代を包む場合には、専用の奉書紙タイプや、氏名を並べて書ける大きめの封筒を使用することもあります。状況に応じて適切な封筒を選べば、形式に沿った丁寧な対応となります。

葬式のお花代の書き方マナー

お花代は金額そのものよりも、封筒の表書きや名前の書き方を正しく整えることが重要です。香典と同じく、形式を踏まえることで遺族に対する礼儀を示すことができます。ここでは、初めてでも迷わないように、表書き・記名・金額の書き方を具体的に解説します。

表書きに「御花料」や「御供」と記載する

お花代の表書きは、宗教や葬儀の形式によって適切な言葉を選ぶのが基本です。一般的には以下のように書き分けます。

  • 仏式:御花料 または 御花代
  • 神道:御供 または 御玉串料
  • キリスト教:御花料 または 御花代

多くのケースでは「御花料」や「御供」と書けば問題なく通用します。文字は筆ペンや毛筆で薄墨を用いるのが望ましいですが、用意が難しい場合は黒の筆ペンやサインペンでも構いません。

名前・住所・金額の書き方

封筒には、渡す人が誰なのか分かるように氏名と住所を明記します。特に中袋がある場合は、中袋の表に「金○○円」、裏面に「住所・氏名」を縦書きで記入します。金額は「金三千円」「金五千円」といった形で漢数字を使うのが正式です。

例:3,000円の場合 → 「金参阡円」や「金三千円也」

旧字体(壱・弐・参など)を使うのは、数字の書き換え防止の意味合いもあります。最近では簡略化して「金三千円」と書く人も増えており、いずれもマナー違反にはなりません。会社でまとめて出す場合は、代表者名と「有志一同」「〇〇株式会社一同」と書くとよいでしょう。

中袋なし封筒の場合の注意点

白封筒など、中袋が付いていない封筒を使う場合には、外袋の裏面に直接、住所・氏名・金額を書くのが基本です。左下に住所・氏名、中央に金額を縦書きするスタイルが一般的で、書く位置を整えることで丁寧さが伝わります。

また、金額を書く際は「金三千円」と漢数字を用いましょう。数字をアラビア数字(3,000円)のまま記すのは略式とされ、正式な場では避ける方が無難です。どうしても書きにくい場合は、パソコンや印刷された表記を貼り付けるのではなく、必ず自筆で記入することが礼儀です。

中袋なしでも、きちんと表書き・氏名・金額を整えれば、遺族に失礼なく弔意を伝えることができます。

お花代を渡すタイミングとマナー

御花料

お花代は金額だけでなく、どのタイミングでどのように渡すかも大切なマナーです。渡し方を間違えると遺族に余計な負担をかけることになりかねません。

ここでは、一般的な渡し方から葬儀社を通じた支払い、会社や団体でまとめる場合まで、状況ごとの正しいマナーを解説します。

受付で渡す場合の流れ

もっとも一般的なのは、葬儀の受付でお花代を渡す方法です。香典を渡す流れと同じで、受付担当者に「御花料でございます」と一言添えて手渡します。袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で広げてから封筒を出すのが丁寧な渡し方です。

香典と一緒にお花代を渡す場合は、別の封筒に包んで受付で同時に渡せば問題ありません。分けて準備することで「香典と供花の両方を用意した」という意思が明確になります。

また、受付で芳名帳に記帳するときには、香典と同様にお花代についても氏名が控えられるため、遺族が整理しやすくなるメリットがあります。

供花を依頼した葬儀社に直接支払うケース

供花を手配した場合は、葬儀当日に現金で渡すのではなく、事前に葬儀社へ直接支払うケースが多くなります。葬儀社を通して供花を申し込むと、請求書や振込用紙が送られてくるため、銀行振込やカード決済で支払いを済ませるのが一般的です。

この場合、葬儀の当日には改めてお花代を遺族に手渡す必要はありません。遺族側には「〇〇様より供花を賜りました」と葬儀社から伝えられるため、金銭の授受がなくても弔意が伝わります。

特に遠方から参列する場合や、当日どうしても都合がつかない場合には、この方法が最もスムーズで負担が少ないといえるでしょう。

会社関係や団体でまとめて支払うときの対応

会社や団体で葬儀に参列する場合には、「有志一同」「〇〇株式会社一同」といった名義でまとめて供花を出すことがあります。この場合は、事前に幹事役を決めて集金し、葬儀社にまとめて依頼するのが一般的です。

受付で個別にお花代を渡すと遺族に大きな負担を与えてしまうため、団体として一本化することがマナーとされています。例えば、社員数名が各3,000円ずつ出し合い、合計1万5,000円分の供花を申し込むといった形です。

また、会社の規模によっては総務部が香典・供花を一括して対応するケースもあります。参列者はその旨を事前に確認し、二重に支払わないよう注意しましょう。

葬式のお花代に関するよくある疑問

お花代は葬儀に参列する際に必ず必要なものではありません。そのため、「香典とお花代の両方を用意すべきか」「親族として出すときの金額はどのくらいか」など、多くの方が悩みがちなポイントがあります。

ここでは、実際に寄せられることの多い疑問を整理し、初めての方でも迷わず判断できるように解説します。

香典とお花代は両方必要?

結論から言えば、香典だけで十分な場合が多いです。一般参列者の場合、香典を持参すればお花代を別途用意する必要はありません。お花代はあくまで供花を出す際の実費に近い性質を持つため、参列者全員が必ずしも負担するものではないのです。

ただし、特別に親しい間柄や、会社や団体で供花を出す習慣がある場合には、香典とは別にお花代を用意することもあります。

この場合は「香典+お花代」となりますが、金額は控えめで構いません。個人で参列するなら香典のみ、供花を希望するならお花代も併せて、と考えると分かりやすいでしょう。

親族として供花を出すときの費用感

親族の場合は、5,000円〜10,000円程度が目安となります。親族葬では親族一同でまとめて供花を出すことも多く、その際は一人あたり数千円ずつ出し合うケースが一般的です。

例えば、兄弟姉妹で合計1万円〜2万円の供花を依頼する、あるいは親戚一同の名義で3万円分を手配するといった形です。このとき重要なのは、金額よりも「親族として気持ちを形にすること」です。無理に高額を出す必要はなく、慣習や他の親族との相談を重視すれば安心です。

また、葬儀社が用意する供花プランでは、1基1万5,000円〜2万円程度の価格帯が多く見られます。親族の場合は、このようなプランを選び、人数で分担して費用を負担するのが一般的です。

友人や知人の葬式に参列するときのお花代の考え方

友人や知人の葬式では、基本的に香典のみで十分です。お花代を包むのは、特に親しかった場合やグループで供花を出したいときに限られます。例えば、学生時代の友人同士で有志を募り、合計で1万円の供花を出すといった形です。

個人で包む場合は、3,000円程度を目安にすれば無難です。過度に高額にするとかえって遺族に気を遣わせてしまうため、あくまで「気持ちを伝える」ことを重視しましょう。

また、どうしても判断に迷う場合は、遺族や葬儀社に確認するのも一つの方法です。「お花代を用意した方がよろしいでしょうか」と事前に尋ねることで、地域や葬儀ごとの慣習に合わせた対応ができます。

まとめ|葬式のお花代は3,000円を基本に関係性で調整しよう

葬式でのお花代は、香典と比べて知識が広まっていないため、初めての方は特に戸惑いやすい部分です。しかし、押さえるべきポイントはシンプルです。

一般的には3,000円程度を基本とし、親族や特別に親しい関係では5,000円〜10,000円を目安にすると安心です。

また、お花代はあくまで供花や式場の飾りに充てられる費用であり、遺族に直接渡る性質のものではありません。そのため、お返し不要とされるケースが多いことも特徴です。地域の慣習や宗派によって表書きの書き方が変わる場合もありますが、「御花料」や「御供」としておけば幅広く対応できます。

封筒は白無地のものを選び、住所・氏名・金額を整えて記入すれば問題ありません。受付で渡すのが一般的ですが、供花を葬儀社に直接依頼した場合は事前に清算し、当日改めて現金を渡す必要はありません。会社や団体でまとめる場合も同様に、一括して供花を申し込むのがマナーです。

初めて葬儀に参列する方にとっては難しく感じられるかもしれませんが、「金額は3,000円前後を基本に」「封筒は白無地」「表書きは御花料または御供」という3点を意識すれば大きな失敗はありません。地域の慣習や遺族の意向に配慮しつつ、無理のない範囲で気持ちを表すことが最も大切です。