コラム

お葬式の曲ランキング|場面別の定番と選び方の完全ガイド

お葬式の曲ランキング 場面別の定番と選び方の完全ガイド
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お葬式で流す曲に迷ったら、場面別に「定番+故人ゆかり」を組み合わせると整います。入場・黙祷・献花・退場のおすすめ曲をランキングで示し、歌詞あり/なしの使い分け、音量やフェードのコツ、著作権とスライドの長さの注意点まで実務的に解説します。

要点まとめ|場面別に「定番+ゆかり」を組み合わせる

式の流れに沿って静謐な定番を軸にし、故人ゆかりの1〜2曲を短尺で添えると違和感なく伝わります。

お葬式のBGMは、入場→黙祷・読経→献花→退場の順で静けさと明瞭さを優先します。基本はクラシックやインストの定番を使い、会食やスライドでは故人の好きだった邦楽やゆかりの曲を短く流します。

歌詞の強さはアナウンスや読経を妨げやすいため、音量は小さめにしてフェードイン・フェードアウトを合わせます。

入場・黙祷・献花・退場の目的と音量設計

入場は「静かに集まってもらう」場面なので、拍や旋律が穏やかな曲を小音量で流します。黙祷・読経は無音または極小音量のインストにとどめ、献花は同じ曲で通すと集中が途切れません。退場はやや前向きの曲に切り替え、移動の合図としてフェードアウトの時間を長めに取ります。

項目 内容 目安 注意点
入場 座席誘導の間を整えます。 インスト小音量 挨拶・アナウンスと重ねないようにします。
黙祷・読経 静謐さを保ちます。 無音〜極小音量 歌詞ありは避けます。
献花 同一曲で流れを保ちます。 小音量・一定 曲の途中で切らないようにします。
退場 締めと移動を促します。 やや明るめ中音量 長すぎる曲はフェードで終えます。

歌詞あり/なしの使い分け(全体方針と短尺化)

式中はインスト中心が安全です。歌詞ありを使う場合は、入退場・会食・スライドなど「会話や読経と競合しない場面」で1コーラス程度に短縮します。強い言葉が連なる歌詞は誤解を招きやすいため、サビや問題のない部分のみを使います。

参列者の年齢層と関係性への配慮(全体方針)

親世代が中心ならクラシックやインストを主軸に据え、友人中心なら邦楽・思い出の曲をスライド用に短く添えます。家族・司会・音響担当で台本と曲リストを共有し、音量・再生位置・フェード秒数を前日までに試聴して合わせます。配信・録画を行う場合は権利の扱いを式場の契約範囲で確認します。

ランキング総合|安心して使える定番(邦楽/クラシック/インスト)

式中は静謐なインストを軸に、退場・スライドは穏やかな歌詞曲を短尺で使うと全体の印象が整います。

以下は初めての方でも使いやすい「定番」を中心にした候補です。歌詞ありは場面を限定し、音量は控えめにします。宗教儀礼のある式では、読経や聖歌と競合しない設定にします。

邦楽ランキング|「ありがとう・お別れ」厳選10曲

  • いきものがかり「ありがとう」
  • 小田和正「たしかなこと」
  • 中島みゆき「糸」
  • コブクロ「桜」
  • 福山雅治「家族になろうよ」
  • アンジェラ・アキ「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」
  • レミオロメン「3月9日」
  • 一青窈「ハナミズキ」
  • MISIA「逢いたくていま」
  • 森山直太朗「さくら(独唱)」

※式中は短尺・低音量で使います。歌詞の語感が強い部分は避けます。

クラシック/インストランキング|静謐・荘厳の10曲

  • バッハ「G線上のアリア」
  • パッヘルベル「カノン」
  • マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」
  • フォーレ「レクイエム(ピエ・イェズ)」
  • サティ「ジムノペディ第1番」
  • ドビュッシー「月の光」
  • ショパン「ノクターン第2番 作品9-2」
  • アルビノーニ「アダージョ」
  • ヘンデル「オンブラ・マイ・フ(ラルゴ)」
  • ラフマニノフ「ヴォカリーズ」

※献花・黙祷・読経に向く曲です。宗教上の配慮が必要な場合は事前に司式者へ相談します。

洋楽バラード/ピアノ曲の候補(歌詞注意)

  • Sarah Brightman & Andrea Bocelli「Time to Say Goodbye」
  • Eric Clapton「Tears in Heaven」
  • Josh Groban「You Raise Me Up」
  • The Beatles「Let It Be」
  • Simon & Garfunkel「Bridge Over Troubled Water」
  • Louis Armstrong「What a Wonderful World」

※歌詞の解釈が分かれる曲はスライドや退場に限定し、短尺・低音量で使います。

実務メモ(準備の順序)

  • 候補曲を場面別に3〜6曲、予備2曲を用意します。
  • 再生端末(WAV/MP3)や接続(3.5mm/HDMI/USB)を確認します。
  • 台本に再生位置・音量・フェード秒数を書き込みます。
  • リハーサルでアナウンスや読経と重ならないかを確認します。
  • 配信・録画を行う場合は式場の契約範囲を確認します(包括契約の有無・2025年)。

個性派の選び方|アニソン・思い出の曲を上手に使う

個性派の選び方|アニソン・思い出の曲を上手に使う

アニソンや思い出の曲は歌詞と場面を精査し、家族合意の上で短尺・インスト中心に配置すると違和感を抑えられます。

個性派の選曲は「誰のための場か」を軸にします。式中は厳粛さが求められるため、歌詞が強い曲は退場や会食、スライドに回します。具体例として、久石譲「人生のメリーゴーランド」「あの夏へ」「海の見える街」、木村弓「いつも何度でも」、久石譲「風のとおり道」などのインストは式中でも使いやすいです。

反対に、激しい語感や戦闘・失恋を想起させる歌詞は場面を選びます。著作権の扱いは会場の包括契約や管理団体(JASRAC/Nextone)の範囲を事前に確認します。

可否判断の基準(歌詞・場面・遺族合意の手順)

  • 歌詞:宗教儀礼や弔辞を妨げない語感かを確認します。
  • 場面:入場/献花/退場/会食/スライドのどこに置くかを先に決めます。
  • 合意:家族→司会→式場音響→司式者の順で承認を取り、再生位置と音量を台本に反映します。
  • 代替:歌詞が強い場合はインスト版やオルゴール版に切り替えます。

推奨例:木村弓「いつも何度でも」(短尺/献花)、久石譲「人生のメリーゴーランド」(入場/退場)、秦基博「ひまわりの約束」(退場やスライドはインスト推奨)です。

インスト版・短縮版での代替と伝え方

歌詞ありを使う場合は1コーラス(45〜90秒)で十分です。クロスフェードは3〜5秒、フェードアウトは8〜12秒を目安にします。代替の作り方は「原曲→ピアノ/ストリングス/オルゴール版への置換」「サビ前からの頭出し」「問題のある詞を避けた区間での編集」です。

例:いきものがかり「ありがとう」はピアノインストにすると式中でも馴染みます。レミオロメン「3月9日」は退場でサビ頭から90秒、フォーレ「レクイエム(ピエ・イェズ)」は献花で全編小音量が使いやすいです。

承認フローと台本反映(家族・司会・音響)

  1. 家族が候補曲を10曲以内に絞ります。
  2. 司会が台本に場面・台詞位置・秒数を記入します。
  3. 音響が機材(WAV/MP3/再生端末)とフェード秒数を確定します。
  4. 司式者に宗教儀礼と重なる部分の可否を確認します。
  5. 前日までに通し試聴を行い、音量・頭出し・トラブル時の短縮案を共有します。
項目 内容 目安 注意点
候補曲絞り込み 10曲以内で場面割を決定します。 1〜2日 家族の合意形成を優先します。
台本反映 再生位置と台詞を同期します。 曲ごとに秒数指定 読経・弔辞と競合を避けます。
音響設定 音源・機材・出力系統を確認します。 前日まで 代替音源を準備します。
権利確認 包括契約/配信可否を確認します。 事前 配信・録画は別手続が必要です。

スライドショーBGMの実務(長さ・曲数・構成)

スライドは5〜8分・1枚3〜5秒・1〜2曲で構成し、フェードで場面転換を滑らかにすると集中が途切れにくくなります。

初めての準備では「長さ」「曲数」「構成」を先に決めると迷いません。一般実務の目安として、全体5〜8分、曲数1〜2曲、画像は1枚3〜5秒が見やすいです。

曲は静謐なインストを軸に、最後の30〜60秒で前向きな曲へ移行します。例:サティ「ジムノペディ第1番」→久石譲「人生のメリーゴーランド(短尺)」です。

長さ5〜8分/1枚3〜5秒の目安と曲数

  • 尺:5分は参列者の集中が保ちやすく、8分を超えると冗長になりやすいです。
  • 曲数:1〜2曲で十分です。2曲構成なら前半静謐、後半やや明るい曲にします。
  • 画像:1枚3〜5秒で読みやすく、テロップは20字以内に抑えます。

推奨例:バッハ「G線上のアリア」→木村弓「いつも何度でも(インスト)」、ドビュッシー「月の光」→山崎まさよし「One more time, One more chance(ピアノインスト)」です。

起承転結の構成とフェード/クロスフェード

構成は「起:幼少〜家族」「承:学業・仕事」「転:趣味・思い出」「結:感謝」です。転の終わりから結にかけてクロスフェード3〜5秒、フェードアウト8〜12秒を目安にします。

献花開始の合図と被る場合は、司会台詞の3秒前に音量を−10〜−15dBへ落としておきます。例:パッヘルベル「カノン」で起承、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」で転、最後にいきものがかり「ありがとう(インスト)」へクロスフェードします。

台本共有と試聴チェック(前日までの段取り)

  • 台本:再生位置、台詞、停止点、非常停止合図を明記します。
  • 機材:再生端末(PC/スマホ/プレイヤー)、接続(HDMI/3.5mm/USB)を確認します。
  • 音源:WAV/MP3の両方を用意し、バックアップを別メディアに保存します。
  • 試聴:通しで再生し、読経・弔辞・映像転換時の音量を調整します。
  • 権利:会場の包括契約の範囲と、配信・録画時の手続を確認します。
項目 内容 目安 注意点
トータル尺 全体の上映時間です。 5〜8分 献花や退場と重ならないようにします。
曲数 使用曲の本数です。 1〜2曲 2曲構成は後半をやや明るくします。
画像間隔 1枚の表示秒数です。 3〜5秒 テロップは20字以内にします。
フェード IN/OUT/クロスの秒数です。 3〜12秒 台詞と重なる前に音量を下げます。
試聴 通し再生とバックアップ確認です。 前日まで 異常時の短縮案を用意します。

著作権/使用手続と費用の目安(会場・配信・録画)

式場BGMは会場の包括契約で賄われる場合が多い一方、録画・配信・スライドへの音入れは個別の手続と費用が発生しやすいです。

まず押さえたいのは、会場でCD等を“再生”する行為は「演奏権」に該当し、式場がJASRAC等と結ぶ包括契約の範囲で賄われることが多い点です。

いっぽう、プロフィールムービーや記録映像に市販曲を“収録(複製)”する行為は別の権利処理が必要になります。さらにオンライン配信やSNS公開では、公衆送信や原盤権など追加の確認が生じます。

会場の包括契約と個別手続(JASRAC/Nextone)

式場内BGM(市販CDの再生・生演奏を含む)は、施設側がJASRACと締結する演奏利用の包括契約でカバーされる運用が一般的です(有無は式場に要確認)。

一方、①スライド等の映像に市販曲を入れる、②当日の様子を撮った記録映像に会場BGMが録音される――といった“複製”には、楽曲の著作権(作詞作曲)に加え、レコード会社等の著作隣接権(原盤)の許諾が必要です。

NexTone管理曲を使う場合は同社の手続きページから申請し、JASRAC管理曲なら同様に申請フローに従います。

※実務では、「ジムノペディ第1番(サティ)」「G線上のアリア(バッハ)」「ピエ・イェズ(フォーレ)」など権利処理しやすい定番を候補に入れておくと調整が円滑です。

配信・録画・SNS公開の可否と代替策

YouTube等の投稿サービスはJASRACと包括契約があるため、作詞作曲に関する一部の権利はプラットフォーム側の枠内で処理されますが、音源そのものの権利(原盤)や利用方法によっては別途手続き・制限が残ります。

式の生配信や記録映像の公開は、①会場契約の範囲、②使用する音源の原盤権、③出演者の権利まで必ず事前確認します。代替策として、インスト版・著作権フリー音源・自演奏の収録に切り替えると許諾が得やすくなります。

費用/期間の目安とスケジュール(0〜数千円/曲、要確認)

費用は「演奏(会場BGM)」「複製(映像に録音)」「配信(公衆送信)」で区分され、包括契約の有無や会場規模、利用形態で変動します。

管理事業者の使用料規程では、曲別申請の場合に“1曲1回あたり”の基準額が定められており、実務では0〜数千円/曲の金額が目安です(最終額は利用形態・権利範囲で異なるため要照会)。申請〜許諾は数日〜2週間程度を見込み、台本固めの前に調整を開始します。

項目 内容 目安 注意点
会場BGM(演奏) 市販CD等を会場で再生 会場の包括契約内 契約の有無・範囲を式場へ確認
映像への録音(複製) スライド/記録映像に市販曲を収録 0〜数千円/曲 作詞作曲+原盤の双方を許諾
配信/公開(公衆送信) YouTube配信・SNS公開 追加許諾/制限あり プラットフォーム契約≠原盤許諾
申請リードタイム 申請〜許諾の期間 数日〜2週間 台本確定前に着手・代替案を準備
  • 式場に包括契約の有無と対象範囲を確認
  • 曲ごとに権利管理先(JASRAC/NexTone等)と原盤の権利者を特定
  • 公開有無(会場内のみ/配信/アーカイブ)を先に決める
  • 代替音源(インスト/自演)と短尺版を同時に用意
  • 台本へ再生位置・音量・フェード秒を明記し前日試写で確認

口コミ・評判の傾向と注意点(事実と感想を分ける)

肯定的な声は「控えめ音量・短尺で集中できた」、否定的な声は「歌詞の齟齬・長尺・音量過多」に集約されます。

良かった声では、読経や弔辞を妨げないインスト中心の運用や、献花を同一曲で通して場が落ち着いたという意見が多いです。退場の「ありがとう(いきものがかり)」や「ハナミズキ(一青窈)」は、短尺・低音量に抑えた運用で好意的に受け止められます。

一方、歌詞の語感が強すぎる曲を式中にフル尺で流し、弔辞とぶつかった結果「集中できなかった」という不満が見られます。クラシックでも長尺の「カノン(パッヘルベル)」を延々と流して単調になったという指摘もあり、フェードと曲替えの設計が重要です。

  • 歌詞ありは入退場/会食/スライドに限定し、1コーラス前後に短縮します。
  • 献花・黙祷は「ジムノペディ第1番」「ヴォカリーズ(ラフマニノフ)」等で静謐を確保します。
  • 司会台詞の直前は−10〜−15dBへ落として衝突を避けます。

全体準備チェックリスト(権利/台本/再生テスト)

  • 会場の包括契約と配信可否を確認(管理先・範囲・NG行為)
  • 曲ごとの管理先(JASRAC/NexTone等)と原盤権者をメモ
  • 公開範囲(会場のみ/配信/アーカイブ)を家族で合意
  • 台本に曲名・開始秒・フェード秒・音量を明記
  • 本番前日、通し試聴で台詞・読経と衝突がないか確認
  • 代替曲(インスト/自演)と無音案を常に準備

まとめ|初めてでも失敗しない選曲手順

「場面別セット+権利の先行確認+短尺化」で整え、最後に台本と試聴で衝突を消すと失敗しません。

実務の順序は、①家族合意(場面ごとの曲候補/インスト優先)、②権利の確認(会場契約・JASRAC/NexTone・原盤)、③代替音源と短尺版の用意、④台本化(開始秒・フェード秒・音量)、⑤前日通し試聴の5ステップです。曲は「サティ」「フォーレ」「ラフマニノフ」など静謐系に、「ありがとう(ピアノインスト)」等を退場に短く添えると、世代差に配慮しながら故人らしさを伝えられます。