初めて天理教の葬式に参列する方の多くが戸惑うのが、香典の金額や表書きの書き方です。仏式とは異なり、天理教では「御玉串料」として渡すのが一般的で、袋の種類や渡し方にも独自のマナーがあります。
本記事では、香典の基本から金額相場、表書きの正しい書き方や渡し方まで、初めての方でも安心できるようにわかりやすく解説します。
天理教の葬式で香典はどうする？金額・表書きの基本
天理教の葬式に参列するとき、多くの方がまず悩むのが「香典はどうすればいいのか」という点です。仏式では「御香典」や「御霊前」として金銭を包みますが、天理教では呼び方や書き方が異なります。
さらに、表書きの言葉や金額の目安も仏式や神道式とは少し違うため、事前に知っておくことで失礼のない参列が可能になります。
天理教の葬式では、香典袋には「御玉串料（おんたまぐしりょう）」と書くのが基本です。これは、参列者が捧げる気持ちを玉串（榊の枝に紙垂をつけたもの）に見立てた表現で、金銭もその思いの一部と考えられています。
金額については地域や関係性により幅がありますが、一般的な仏式葬儀と大きく異なる水準ではなく、親族で1万円〜5万円、友人・知人で5千円〜1万円程度が目安といえます。
袋の種類は白無地か黒白の水引が施された不祝儀袋を選び、蓮の絵柄など仏教色の強いものは避けるのが無難です。
表書きは毛筆か筆ペンで丁寧に書き、裏面や中袋には金額と住所・氏名を明記します。受付で渡す際には、軽く会釈をし「御霊前にお供えください」といった一言を添えるとより丁寧です。
このように、天理教の葬式での香典は呼び方や表書きに特徴がありますが、基本を押さえれば難しくありません。大切なのは、形式にとらわれすぎず、遺族に寄り添う真心を込めて準備することです。
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天理教の葬儀における香典とお布施の考え方
天理教の葬儀では、参列者が包む香典と、遺族が教会に納めるお布施（御礼）の二つが存在します。ただし、仏式と比べて考え方や呼び方に違いがあるため、参列する側も遺族側も理解しておくと安心です。
天理教で「香典」より「玉串料」と呼ぶ理由
天理教では、香典という言葉はあまり用いられず、「玉串料」と表現されます。玉串とは神道儀礼でも使われる榊の枝に紙垂をつけたものですが、天理教では故人の「出直し（死去）」に際して参列者が捧げる真心の象徴として扱われます。
そのため、金銭を包む際も「香りを供える金銭」という仏教的な意味合いより、「玉串を捧げる心」を表現する呼び方が適しているのです。
実際の葬式でも、受付で「玉串料をお納めください」と案内されることが多いため、あらかじめ知っておくと戸惑わずに済みます。表書きに「御玉串料」と書くのが一般的であり、「御香典」と書くのは避けた方がよいでしょう。
香典とお布施の違いを知っておこう
参列者が包む玉串料と異なり、遺族が葬儀を執り行う教会や祭主に納めるのが「お布施」です。これは仏式のお布施と似ていますが、天理教では「教会への御礼」という意味合いが強く、金額も教会や地域によって幅があります。
例えば、葬儀を執り行ってもらった教会には3万円〜10万円程度を納めるケースが多く見られます。
参列者は基本的に玉串料だけを準備すればよく、お布施を直接渡す必要はありません。ただし、親族として葬儀を主催する立場になる場合には、この違いを理解しておくことが重要です。
このように、天理教の葬儀では「玉串料＝参列者が渡すもの」「お布施＝遺族が教会へ納めるもの」と役割が明確に分かれています。混同せずに理解しておくことで、宗教観に沿った形で故人を見送ることができます。
天理教の香典金額の目安
天理教の葬儀で包む香典（玉串料）の金額は、基本的に仏式や神道式の葬儀と大きく変わりません。ただし、宗派特有の呼び方が「御玉串料」である点に注意が必要です。
金額は地域の習慣や故人との関係性によって幅がありますが、参列する立場ごとに一般的な目安を知っておくと安心です。ここでは、親族・友人知人・会社関係といった立場別に相場を紹介します。
親族・親戚に包む場合の相場
親族として参列する場合、香典金額はもっとも高めに設定されます。両親や兄弟姉妹といった近しい関係では3万円〜5万円程度が一般的で、喪主や遺族に直接の負担をかけない配慮が込められます。
祖父母やおじ・おばにあたる場合は1万円〜3万円程度が多く、甥や姪の場合も同じくらいが目安です。
実際には「地域の相場」が強く反映されるため、同じ親族でも関西と関東で金額に差が出ることがあります。迷ったときは親族間で相談して統一感を持たせると、遺族にとっても受け取りやすくなります。
友人・知人に包む場合の相場
友人や知人として参列する場合、金額は5千円〜1万円程度が一般的です。特に学生時代からの親しい友人や長年の付き合いがある場合は1万円を包むケースが多い一方、知人レベルの関係であれば5千円でも失礼にはあたりません。
例えば、長年のご近所付き合いがあった場合や、故人が地域活動で深く関わっていた場合などは、1万円を包むことで感謝と哀悼の気持ちをより丁寧に表すことができます。金額に迷ったときは「故人や遺族との関わりの深さ」を基準に考えるとよいでしょう。
会社関係や上司・部下に包む場合の相場
会社関係で参列する場合の金額は、関係性によって変わります。上司や取引先など目上の方の場合は1万円程度、同僚や部下の場合は5千円〜1万円程度が一般的です。
部署や会社単位で香典をまとめる場合も多く、その際は一人あたりの負担が軽くなります。
例えば、社員数人で「御玉串料」として2万円をまとめて渡し、代表者が受付で手渡すといった形です。
この場合、封筒には会社名を記載し、個人名を中袋に連名で書くこともあります。社内で慣例がある場合は、それに従うのが最も安心です。
このように、天理教の葬儀で包む香典金額は、仏式の葬儀と大きく変わらない一方で、「御玉串料」として包むことが最大の特徴です。金額の多少よりも、遺族を思いやる気持ちを込めることが大切であり、相場を押さえておけば安心して参列できます。
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香典袋（玉串料袋）の選び方と表書きの書き方
天理教の葬儀で香典を包む際には、仏式のように「御香典」と書かれた袋をそのまま使うのは避けるのが無難です。天理教では香典を「玉串料」と呼ぶため、袋や表書きの言葉もそれに合わせて準備する必要があります。
ここでは、玉串料袋の選び方から、表書きや中袋の正しい書き方までを解説します。
袋の種類と選び方の注意点
天理教の葬儀に持参する香典袋は、白無地や黒白の水引がかかった不祝儀袋を選びましょう。仏教式のように蓮の花が描かれた袋や「御仏前」と印刷されたものは宗派に合わないため避けるのが礼儀です。
シンプルで清らかな印象の袋がふさわしく、文具店やコンビニでも「御玉串料」と印字された袋が販売されています。
水引は黒白もしくは双銀を使用するのが一般的で、結び切り（固く結ばれてほどけない形）のものを選びます。これは「不幸が繰り返されないように」という意味が込められています。
表書きに書く言葉と筆の使い方
表書きの文字は、必ず「御玉串料」と記します。「御香典」「御霊前」といった表現は天理教では用いられないため注意しましょう。書く際は毛筆か薄墨の筆ペンを使用し、丁寧な字で記入することが大切です。
薄墨には「突然のことで心が乱れている」という意味が込められており、弔事に適しています。
名前は表書きの下段中央にフルネームで記載します。夫婦連名で参列する場合は夫の氏名を右に、妻の氏名を左に書き添えるのが基本です。
友人同士や会社関係で連名にする場合は、三名程度までなら連名で記載し、それ以上になる場合は代表者名を中央に書き、左側に「他一同」と加える方法が一般的です。
中袋や金額の記入方法
中袋がある場合は、表に金額を漢数字で記入し、裏面に住所と氏名を明記します。金額は「壱萬円」「伍仟円」といった旧字体を用いるのが正式です。
中袋が付属していない場合は、香典袋の裏面に同じように金額と住所氏名を書きましょう。これは遺族が香典返しや記録を整理する際に重要な情報になるため、省略しないことがマナーです。
また、金額は必ず新札ではなく、折り目のついたお札を使用するのが一般的です。これは「突然の不幸を前もって準備していたのではない」という意味合いを持っています。
このように、天理教の香典袋は表書きや袋の種類に特徴がありますが、ポイントを押さえれば難しくありません。「御玉串料」と書かれた不祝儀袋を選び、丁寧な字で記入することを意識すれば、初めての参列でも失礼なく対応できるでしょう。
天理教の葬式で香典を渡すときのマナー
香典（玉串料）は準備するだけでなく、渡す場面での立ち振る舞いも大切です。天理教の葬式では仏式と異なる呼び方や作法があるため、受付での渡し方や一言添える表現にも注意しましょう。また、やむを得ず参列できない場合の対応も押さえておくと安心です。
受付での渡し方と一言添える言葉
受付に到着したら、まず軽く一礼して香典袋を差し出します。このとき、袋は表書きが相手から読める向きにして両手で渡すのが基本です。
差し出す際には「御玉串料でございます」「どうぞご霊前にお供えください」といった一言を添えると丁寧です。仏式でよく使われる「ご霊前にお供えください」も大きな問題はありませんが、より天理教らしい表現として「御玉串料をお納めください」と伝えると安心です。
受付では長い会話は避け、簡潔に済ませることが望まれます。深い言葉を添えるよりも、礼儀正しい態度が何よりも大切です。記帳が求められる場合は、フルネームと住所を丁寧に書きましょう。
参列できないときの郵送マナー
遠方や体調不良などで葬儀に参列できない場合は、香典を郵送で届けることも可能です。ただし、現金書留を使うのが必須であり、普通郵便で送るのはマナー違反となります。
封筒には「御玉串料」と表書きした香典袋を入れ、さらに現金書留用の封筒に収めて送付します。
送るタイミングは葬儀当日までに届くのが理想ですが、やむを得ず間に合わない場合でも葬儀から数日以内に届くように手配すれば問題ありません。送付時にはお悔やみの手紙を同封すると、遺族に対してより誠意が伝わります。
その際の文面は「このたびはご出直しの報に接し、心よりお祈り申し上げます」といった天理教に配慮した表現を用いるとよいでしょう。
このように、天理教の葬式での香典マナーは、「御玉串料」として受付で丁寧に渡すこと、参列できない場合は現金書留で送ることが基本です。
大切なのは、金額の多少よりも、遺族を思いやる気持ちを失礼なく伝える姿勢です。これらのポイントを理解しておけば、初めてでも安心して臨むことができるでしょう。
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まとめ｜天理教の香典マナーを理解して安心して参列を
天理教の葬儀では、仏式で用いられる「香典」ではなく「御玉串料」として金銭を包むのが基本です。袋の選び方や表書き、渡し方には独自の作法があり、事前に理解しておくことで安心して参列できます。
金額の目安は仏式と大きく変わらず、親族なら1万円〜5万円、友人や知人なら5千円〜1万円程度が一般的です。会社関係では立場に応じて5千円〜1万円前後が目安となります。
袋は白無地や黒白の水引の不祝儀袋を選び、表書きには必ず「御玉串料」と記入します。渡す際には受付で両手で差し出し、「御玉串料でございます」と一言添えるのが丁寧です。参列できない場合は現金書留で送り、短い手紙を添えると遺族への気遣いが伝わります。
初めて天理教の葬儀に参列する方にとっては不安もありますが、呼び方や表書き、渡し方の基本を押さえるだけで失礼のない対応が可能です。大切なのは形式だけでなく、遺族への思いやりの気持ちを込めること。これらのマナーを理解しておけば、安心して天理教の葬儀に臨むことができるでしょう。